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Day_7_1 影の声が囁いた
放課後の高校のロビーを、生徒の男──大神蒼悟は一人でうろついていた。
大神が手に持つスマートフォンに表示されているのは、夢に関する情報のメモ。
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・全員確かに同じ夢を見ている.ただし視点は違う,夢というより『意識だけ異界に飛んでいる』に近いのか?
・あの異音と暗示の声も恐らく全員が同じ物を聴いている.皆同様に殺意を呼び起こされているが殺意に至る理由は人それぞれだ
・全員が夢路市在住.夢路中央公園も知っている
・全員,この近辺で綺麗な石を拾った覚えがある
・水晶を買い占めた人間の目撃証言
・夢を繋げているのは「水晶を拾った」という記憶である.記憶喪失になれば脱出可能なのか?
・最近は街の人々も殺し合う夢を見ている
・夢で死ぬと現実では運がよくなる傾向にある?
・夢が現実に漏れ出したかのような現象が起きている
・夢に散らばる謎の紙切れから多くの情報を得た.あれも誰かの記憶によるものだろう.記憶の主を見つけ出せば
・あの本の返却はまだか
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次に画面へ表示されたのは、市営図書館の蔵書データベース。
大神が借りようとしている本── 『夢の魔術〜深層意識の操作、明晰夢、および境界に関する魔術〜』。
昨日返却される筈だったそれは、未だ貸出中のようであった。
大神は舌打ちをし、画面から目を離す。
その目線の先に、各委員会用の掲示板があった。
そこに貼られていたのは、風紀委員による啓発ポスターや、文化祭実行委員によるチラシ。
そして、図書委員によって作られた、手書きの新聞。
なんとも美しい手書き文字が綴る、ごく普通の図書紹介文。
その筆者名の欄には、「赤井切音」と記されていた。
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